9月10日(日)の午後、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)主催、嵯峨野高校共催で、第37回JST数学キャラバンを実施しました。
大学及び企業の研究者から、ご自身の専門分野や、身の回りで数学がどのように活用されているかということを高校生にわかりやすくご講演いただきました。
昨年度まではオンライン開催でしたが、今年度は嵯峨野高校を会場として対面形式で実施しました。
参加した生徒は講演を熱心に聞き、その後の研究者を囲んで意見交流回を行う場では、積極的に質疑応答をしていました。研究者の高校時代の話や、研究者になった経緯、数学とどのように向き合えばよいか等、貴重なお話をざっくばらんにしてくださり、大変有意義な時間が過ごせました。
7月27日(木)、サマーセミナーの一環として、法学フィールドワークを実施しました。京都地方裁判所・京都弁護士会のご協力により、1・2年生25名が裁判や法律について学びました。
午前は、京都地方裁判所にて職員の方から裁判についての説明を受けた後、実際に刑事裁判を傍聴しました。法廷見学では、参加者は法服を着て、裁判官席に座るという貴重な体験をしました。
午後は、京都弁護士会館にて、弁護士の先生方から、刑事裁判の原則について講義を受けた後、その指導の下、模擬裁判に取り組みました。模擬裁判では、班ごとに参加者が裁判官・検察官・弁護人・被告人・証人の役割を演じた後、裁判員の立場で証拠を吟味しながら被告人が有罪か無罪かの判決を出し、判決理由を発表しました。最後に班ごとに法律事務所を見学し、弁護士の仕事のやり甲斐やご苦労などについてお話を伺いました。
参加者からは、「裁判について授業で学んではいたけれど、今日見た実際の裁判の緊張感は座学では味わえないと思う。いい経験になった。」「今の私たちが安心して生活できているのも罪を犯した人をしっかり裁いてくれる『法』というものがあるからだと考えた。」「直接裁判を見たり、お話を聞いたりすることができて貴重な経験ができたし、裁判の意義を知れて良かったと思う。将来、法学部や法曹を目指すことがなくても、人権について考えるきっかけになったし、人として必要な考え方の要素を学ぶことができた。」などの声がありました。法学の学びを深める有意義な機会になったと思います。
本年のサマーセミナー「地理地学巡検」を7月28日(金)に実施ました。大型バスに乗り、近畿地方北部の地理や地学に関わる巡検ポイントを見て回りました。
まず向かったのが、地理の聖地「百瀬川扇状地」です。地理の教科書や資料集に必ずと言っていいほど登場する百瀬川扇状地ですが、京都に近いにもかかわらず、実際に現地へ行く機会はほとんどありません。今回の巡検は実際に教科書に登場する場所を確認できるよい機会です。
現地に到着するまでにバス内で、近畿地方北部の断層運動について、教員からレクチャーがあった後、バスは「近江中庄」駅に到着しました。所謂「扇端」にあたるこのあたりには、湧水地があるはずです。少しうろうろと歩き湧水地を探しあて、その水に実際に触れてみました。暑い日でしたのでその水の冷たさが印象に残りました。次に教科書にも登場する百瀬川の「天井川」の百瀬川隧道を見に行きましたが、昨年からの工事で天井川下のトンネルがついに撤去されていました。撤去された後の天井川の断面がきれいに見えました。
扇端の湧水地を確認
天井川の断面がきれいに見えました
百瀬川扇状地を見学後、福井県に入りました。事前にバス内では、C14年代測定法やO18・花粉分析などによる古気候の復元、ミランコビッチサイクルやダンスガードオシュガーサイクルなどについて、自然地理を専門とする教員からレクチャーがありました。年縞博物館では館内の方から丁寧な説明がありました。7万年もの間、1年の欠けもなく堆積し続け、奇跡的に現在まで残った縞模様である「年縞」の本物を目の前にしながら、生徒たちは熱心に聞き入っていました。偶然の発見から世界標準になるまでの話は本当に聞き応えがありました。
年縞博物館内で説明を聞く(年縞博物館の許可を得て掲載しています)
昼食後、大島半島のモホ面露頭に向かいました。大島半島は、海洋プレートが陸上に露出した複合岩体である「夜久野オフィオライト」の中で海洋性地殻と地球内部のマントルの両方の部分が見られる珍しい場所で、日本で唯一モホ面の露頭がみられる場所です。私たちはトンネルを抜けた左カーブでバスを降り、モホ面の露頭を観察しました。かんらん岩とはんれい岩の両方が確認できました。大切な露頭です。露頭には触れないようこころがけました。
露頭の前でオフィオライトの説明を聞く
露頭に近づき、観察する
この日の巡検の最後は、バスで五老ヶ岳に登り、逆Y字型をした舞鶴湾を一望しました。城下町として発展した西舞鶴と軍港として発展した東舞鶴の違いが確認できました。
舞鶴湾口を望む
溺れ谷地形が天然の良港になっている様子を確認する
7月15日(土)~17日(月)、京都府立丹後海と星の見える丘公園にて、ジャパンフィールドリサーチ(JFR)in 丹後を実施しました。この取組は、各種学術学会での発表を目標に、参加生徒の発案による森林環境調査であり、サイエンス部と校有林調査ラボの生徒12名が参加しました。生徒たちは、この取組のために約1ヶ月間にわたり、校有林や校内で事前学習を行ってきました。
開会式を行った後、本校卒業生のTA2名の案内により、周辺を探索しました。天橋立や伊根の町並みが見える景色に、生徒たちも期待が高まります。
1日目午後から3日目午前にかけて、「土壌調査・透水性調査」「森林調査」「昆虫採集」の3つのテーマに分かれ、調査を実施しました。
土壌調査をしたり
傾斜30°以上の斜面で森林規模の調査をしたり
公園の様々なエリアに生息する生き物を観察・採集したりしました。
次回は9月15日~18日に、熊本県玉名郡にて、熊本県立第二高等学校、鹿本高等学校とともに調査(JFR in 熊本)を行います。今回の経験を活かして、さらに研究を深めていくことを期待しています!
6月18日(日)、京都府教育委員会・京都府立嵯峨野高等学校主催の「令和5年度みやこサイエンスフェスタ」を実施し、京都府立SSH指定校を含む10校が自然科学に関する探究活動の成果を発表しました。
本校からは、3年生4人が
「嵯峨野高校校有林の健康診断 ―林分材積、胸高係数、相対幹距比―」
「赤土山の土壌物理性評価 ―"嵯峨野焼"実現を目指して―」
の2つのテーマで発表を行いました。
また、4年ぶりに各校の生徒が観客として参加し、本校からは、京都こすもす科専修の1年生やサイエンス部を中心としたメンバーが参加しました。各校の研究発表や、広い会場の中で質問をする様子を目の当たりにし、今後の探究活動をすすめる上で刺激になったと思います。
卒業生による研究発表では、本校の卒業生が、「微生物の代謝経路を紐解く」というテーマで自身の研究分野を選んだきっかけや、研究の楽しさについて語ってくれました。生徒にとって非常に参考になったと思います。
閉会式では、京都大学の真常仁志教授と三田村啓理教授にご講評をいただき、発表者全員に奨励賞が授与されました。
今後、8月9・10日に実施されるSSH生徒研究発表会で「赤土山の土壌物理性評価 ~"嵯峨野焼"実現を目指して~」というテーマで、発表します。
表題のサイエンスレクチャーが、2年生専修コース生徒を対象に実施されました。今回は、京都新聞のキャンペーン「日本人の忘れもの知恵会議」対談シリーズの1つとして実施され、教育者で前・京都精華大学長のウスビ・サコ先生をホストに、宇宙飛行士・京都大学特定教授の土井隆雄先生をゲストとしてお迎えして実施されました。
土井先生からは宇宙開発の歴史に始まり、宇宙から地球をみた経験から生じた見方・考え方の変化や、宇宙での生活が現実味を帯びてきたこれからの社会のあるべき姿などについて、サコ先生の司会進行で、わかりやすくも新たな視点を多数ご提示いただき、生徒達は大きな刺激や啓示を受けることができました。最後には質疑応答の時間が設けられ、生徒からの素朴な疑問や新たな見方に対して、丁寧なご回答をいただきました。
また、土井先生とサコ先生からは、本校生徒に向けた色紙をいただきました。
6月9日(金)2・3年生合同行事である表題の課題研究発表会(SSGF)が開催されました。3年生にとっては、嵯峨野高校でこれまで取り組んできた探究活動の集大成となるイベントです。校内21会場で、3年生全員が課題研究の成果を口頭発表し、2年生全員が聴講・質疑応答に参加しました。
今年は、普通科・京都こすもす科共修コース・専修コースそれぞれの生徒が、コースの枠組みを超えて自由に好きな発表を聴講できる形になり、活発な質疑応答が見られました。
アメリカのJunipero Serra High Schoolから参加した2名の生徒も本校生徒と同じように課題研究発表を行いました。例年通り、英語による発表の会場では京都の大学院などで学ぶ海外からの留学生などがティーチングアシスタントとして参加し、質疑応答を通じて探究活動を深めることができました。他校からも視察があり、本校の取組を知っていただく良い機会となりました。
シンガポールの教育省と国立教育研究所が共同で主催する「リーダーシップ・イン・エディケーション・プログラム」に参加されている校長先生・副校長先生のグループが嵯峨野高校を参加されました。以下その報告を英語でお伝えします!
On May 22nd we had special VIP guests from Singapore and Brunei come to Sagano High School. From Singapore came one principal and 7 vice principals and from Brunei one vice principal. They were from so many different schools but they all had chosen to focus their studies on the educational system of Japan. Therefore we were very happy to introduce them to the Japanese public school system here at Sagano High School.
We had a question and answer session with our school administration as well as with Sagano teachers. Then they attended our 2nd year Science English class. Class 2-8 students were explaining about Environmental Problems in Japan. The VIPs all seemed to have a very nice time and we were so happy to have them. They even brought us some souvenirs from Singapore! We hope they left with a good impression of education in Kyoto and in Japan!
5月21日(日),スーパーサイエンスラボ[校有林調査ラボ]と,アカデミックラボ[数学活用ラボ]に所属する3年生8名が,千葉県で開催された日本地球惑星科学連合2023大会にて学会発表を行いました。
発表タイトルは次の4件です。
・嵯峨野高校校有林土壌の岩石風化層(Ⅽ層相当)の陶土利用
・嵯峨野高校校有林の健康診断 ~林分材積、胸高形数、相対幹距比~
・フラクタル図形の日除けへの利用に向けた特性評価
・フラクタル日除けの放射環境への影響の定量的評価
これまでに経験のない大きな舞台でも堂々と,また丁寧に説明する姿が見られました。
説明を重ねる度に質疑応答が上手くなっていく様子に頼もしくも感じました。
研究を伝える難しさを感じたり,さらなる研究課題に気づくこともできたようです。
この経験が,生徒の今後にとって意味のある時間となることを願っています。
全国の高等学校からの研究発表,大学や企業の展示も多数あり,高校生に向けて科学する面白さを伝える雰囲気に溢れていました。
前日には,国立科学博物館に出向き,科学の歴史を身体で体感しました。
全国の高等学校からの研究発表,大学や企業の展示も多数あり,高校生に向けて科学する面白さを伝える雰囲気に溢れていました。
前日には,国立科学博物館に出向き,科学の歴史を身体で体感しました。
5月13日(土)、常磐野小学校の4~6年生51名を迎えて、実験教室を実施しました。
4年生は「チリメンモンスターを探せ」、5・6年生は「クロマトグラフィー・浮沈子」の実験に取り組みました。実験方法や原理の説明、実習の補助については、サイエンス部の生徒を含む、本校ボランティア生徒13名が分担して行いました。
また、当日は「化石の話」として、嵯峨野高校にある化石標本を触ってもらいました。
この化石は栃木県那須塩原市で出土する、今から数十万年前の生物の化石です。これら化石の生物は、現在でも生息し、図鑑などでどの種類が化石になっているのか調べることができます。
子どもたちが初めて見たり触れたりするものに驚き、感動する様子を見ながら、高校生ボランティアも楽しめたプログラムでした。
常磐野小学校の皆さん、また来年もお待ちしています!
5月13日、カナダBishop's Universityから訪日中の教員、学生の皆さんが、ESS部員と校有林ラボの生徒と一緒に嵯峨野高校の校有林とその近くにある愛宕念仏寺、嵐山周辺のフィールドワークに参加しました。この取組は、SSHの取組であるジャパンフィールドリサーチの一環として行われました。
当日朝に奥嵯峨にある校有林の入り口で集合し、グループ毎に自己紹介を行った後、一緒に校有林に入りました。お互い英語でコミュニケーションをとりながら、険しい山道を頑張って登りました。山の中腹では、ティーチングアシスタントとして参加した本校の卒業生と現役の校有林ラボ所属生徒が自身の研究内容について英語でプレゼンテーションを行いました。
続いて、隣接する愛宕念仏寺を参拝しました。ここではESS部員が愛宕念仏寺について英語で説明しました。Bishop's Universityの学生さんもこの寺についてリサーチしてきており、その内容を話してくれました。互いに日本の伝統文化への理解を深める機会となりました。
その後嵐山までゆっくり歩いて、渡月橋のたもとで解散となりました。道中では時折足を止めながら、解散の直前まで、Bishop's Universityの学生さん達と楽しそうに英語で会話する姿が見られました。
4月29日SSHの取組として 校有林調査ラボ、地学(気象)ラボ、地理・地図ラボの生徒23名を対象に、丹後巡検を実施しました。
天橋立、丹後海と星の見える丘公園、伊根、屏風岩、琴引浜、郷村断層を巡りながら、各地点とバスの車窓からの風景について教員がレクチャーを行いました。本物を見ることで教科書や資料の知識だけではわからないことに気付き、今後の探究活動に生かしてほしいと思います。
天橋立を歩いて渡り、周囲には海水がある中で松林が成立している理由や、天橋立の砂浜を維持するための方法などを学びました。松林がきれいな観光地というだけではなく、なぜ?どうして?と考えてみることで、表層土壌の様子など見えていないところまで思いを巡らせていました。
海と星の見える丘公園では、素晴らしい眺望で天橋立から伊根まで見渡せました。また、夏に行うジャパンフィールドリサーチin丹後の調査地点の確認を行いました。
鳴き砂を鳴らす様子(音声付)
さらに地形等の成因についてレクチャーを受けながら、伊根の舟屋、海岸段丘の地形、屏風岩などを巡りました。琴引浜では、現地の管理をされている方の案内で、砂をうまく鳴らす方法を実演していただき、生徒たちも一緒に鳴らすことができました。鳴き砂は少しでも汚れると鳴らなくなるため、冬の荒波で砂が洗われた後の、この時期が一番鳴りやすいそうです。
最後に、郷村断層を訪れ、およそ100年前に起こった北丹後地震について学びました。断層によってずれた道路が残されており、断層の大きな動きに驚いていた生徒もいました。
生徒は「鳴き砂は今まで知らなかったが、実際に鳴いて面白かった。鳴き砂には石英が多く含まれることを聞いて、今まで持っていた知識と実際に触れたものがつながった感覚になった」「知識をもって地形を見ると、それまで見えていなかったことに気付けるようになった。今までの旅行では観光地を見ることが目的になっていたが、巡検を通して見える世界が少し広がった」などそれぞれ感想を持ったようです。生徒はレポートにまとめ、今回の経験を広く伝え、今後の探究活動に生かせることと思います。
4月12日(水)の5限、京都こすもす科専修コース2年生の生徒を対象に、SSL(スーパーサイエンスラボ)Ⅱのガイダンスを行いました。
SSLⅡは、物理・化学・生物・校有林調査・地学(気象)・数学 の6つのラボからなり、各自・各チームが探究テーマを設定し、研究をします。
はじめに、SSLⅡの1年間の予定について、説明しました。11月のSSH生徒研究発表会(みやびサイエンスガーデン)や、外部の発表会に向けて、探究を進めてほしいと思います。
全体ガイダンスの後は、各ラボに分かれ、全員が自身の研究テーマについて発表する「テーマ検討会」を行いました。研究を深める第一歩は、よいテーマ選びから始まります。生徒たちは、同じラボの友人や担当教員からの質問を受け、研究を始めるまでに考えるべき課題に新たに気付いたようでした。
これから、恵まれた実験設備や環境の中で研究を始めるのが楽しみです。
2023年4月13日
2023年3月23日
アカデミックラボ 数学活用ラボ所属の2年生5名が、第一薬科大学・日本薬科大学・横浜薬科大学主催「高校生サイエンス研究発表会2023」(全国から243件の研究発表)にて、研究発表を行いました。
研究発表1 最後の一粒をすくえ!
「炒飯のご飯粒など最後に残った一粒をどうしたら簡単にすくえるのか」という身近な疑問をきっかけに、スプーンの厚さや平皿とスプーンのなす角(入射角)が物体のすくいやすさにどのような影響を与えるのかについて、力学的視点から力のモーメントのつり合いに着目した研究
研究発表2 癒し空間をつくるフラクタル図形の日除けへの利用
「木漏れ日が心地いいと感じるのはなぜか」,「"日を適度に遮り,適度に風が抜ける"この"適度"とは具体的にどの程度なのか?」という問いのもとで、実測予定日に合わせた遮光角をもつシェルピンスキーの四面体で日除けを自作(3Dプリンター)し,日除けの放射環境への影響を捉える研究
今回、この2チームは学校外の研究発表会に初めて参加しました。
研究を伝える難しさや、テーマのおもしろさを伝えるための工夫の余地など、今後に向けた課題も見つかったようです。研究発表会への参加経験は、多くの気づきと学びを与えてくれます。
この経験を自信につなげて、今後さらに研究の奥深さと楽しさを感じてほしいと願っています。
2023年3月25日
3月24日、第17回科学地理オリンピック日本選手権および第19回国際地理オリンピック選抜大会で銅メダルを受賞した3年生川﨑さんが校長室に受賞の報告に来てくれました。
銅メダル受賞の朗報は卒業式前日に届きました。そして本日、国際地理オリンピック日本委員会から届いた賞状、メダルの授与とともに、遅ればせながら嵯峨野高校教育賞の表彰も行いました。
賞状授与の後、川﨑さん、橋長学校長、加藤第3学年部長と談話する時間がありました。
先生方から「地理オリンピックが開催される予選の12月、本選の2月中旬は受験勉強の大変な時期。それでも挑戦しようと思った理由は?」との質問に川﨑さんは「2年生の時にもチャレンジしたが、その時は僅差で2次選抜には行けなかった。去年から3年生でも挑戦しようと決めていた。」「12月は大学入学共通テストのため地理の勉強をしていたが、2月の二次選抜は、国公立大学前期入試1週間前だったこともあり、地理オリンピックの勉強は出来ていなかったが、結果が出せて嬉しい。」と語ってくれました。
また、「大学二次試験1週間前に地理オリンピックがあり、それぞれの挑戦で緊張はしなかった?」という質問には、「陸上部に所属していて、試合にも出ていた。陸上のスタートはフライング1回で失格になる。その時のプレッシャーや緊張感を経験していたので、大学入試は落ち着いて取り組むことができた。」と答えてくれました。
日々の学習だけでなく、部活動や校外の活動にも真摯に取り組み、それぞれの活動の中から多くの学びを得て素晴らしい結果を残してくれました。
川﨑さんは、この春から京都大学農学部に進学し、ロボットファーミングについて学ばれます。
大学でも更なる飛躍を期待しています!
おめでとうございます!
学校長、第3学年部長とともに記念写真
3月14日の午後、大塚製薬株式会社 大津栄養製品研究所の所長 甲田哲之様から「企業における研究」について、生徒37名に対面で御講義いただきました。
一般に「ものづくり」の仕事という言葉はよく耳にしますが、高校生にとっては、自身が研究・開発に携わっている将来像というのはどうしてもイメージがしにくいものです。甲田様は、大塚製薬(株)の製品として、今や知らない人はいない数々の商品がどのように世に送り出されてきたかを例として「世の人が気づいていないニーズの探求」「常識を疑うこと」から課題を見いだし、「簡単なことより難しいことへチャレンジする」ことの大切さと面白さを判りやすく伝えて下さいました。御講義後、活発な質疑応答もあり、生徒の感想文からは、学校生活だけでは得られないきっかけや気づきが得られたと大きな反響がありました。
課題探究学習アカデミックラボ【数学活用ラボ】の活動をご紹介します。
2年生4名からなる研究グループは「フラクタル日除けの日除けとしての機能をどのように評価するか」について研究しています。
フラクタル日除けが設置されている京都大学を訪問し、考案された京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授 酒井 敏先生に研究への助言をいただきました。
フラクタルとは「図形のどの部分をとってみても自分に相似な部分から成り立っている性質(自己相似性)」のことで、京都大学に設置された日除けはその性質を持った「シェルピンスキー四面体」という立体の形状をしています。
この四面体が平面を覆うようにして配列された日除けスペースは「シェルピンスキーの森」と呼ばれ、学生たちの憩いの場になっています(フィールドワークの最中にも普段の勉強に利用しているという学生が1名やってきました)。
生徒の素朴な疑問に回答いただきながら、これまでの研究の経緯や、科学する面白さについてお話いただきました。
人の考える「完全・完璧さ」と自然のもつ「不完全・中途半端さ」の距離について、また、
森はなぜ涼しいのか、葉っぱ1枚の大きさは涼しさにどう影響しているか、など自然に学ぶ姿勢についてたくさんの気づきを得ることができました。
先日実施されたSSH 生徒研究発表会(みやびサイエンスガーデン)では中間成果を発表し、大学の先生や京都府の様々な高校生と意見を交流しました。
京都工芸繊維大学で発表する様子
今後の研究の展開が楽しみです。
11月14日(月)国立京都国際会館 アネックスホールで京都環境文化芸術フォーラム国際シンポジウムが開催されました。
その中のプログラムの一つ「府内高校生とKYOTO地球環境の殿堂入り者とのトークセッション」の中で、本校1年能山君が他の4名の高校生と共に登壇しました。能山君は専門家の方々による3回の勉強会を通じて気候変動についての理解を深め、ビデオメッセージ作成などに取り組みながら向き合った問いについて、登壇された村上氏や西岡氏とのやりとりを通して、さらに学びを深めました。
11月12日(土)3年ぶりに京都工芸繊維大学を会場に、「みやびサイエンスガーデン」が京都府教育委員会・京都府立嵯峨野高等学校主催により開催されました。日頃、自然科学分野の探究活動を行っている生徒が、研究の中間報告としてのポスターを作成して発表しました。今年は、京都府立高校のSSH指定校を含む、SSN(スーパーサイエンスネットワーク京都)校のうち南部6校、園部高等学校、北嵯峨高等学校、鴨沂高等学校の計9校、ポスター数112件の発表となりました。
感染拡大防止対策を徹底した上で、生徒は発表者のみの来場としました。また、ONLINE CONFというWEBプラットフォームを用いて、事前に研究成果のポスターや動画を閲覧できるようにし、それを踏まえた質疑応答などがおこなわれました。他の探究テーマの成果から刺激をもらったり、当日の発表を聞いた高校・大学の教員から今後の探究活動に向けて貴重なアドバイスをもらったりと非常に有意義な活動となりました。
今年度は新たな取り組みとして、ポスター発表と同時並行で洛北高等学校、桃山高等学校、嵯峨野高等学校出身の方による研究内容の講演をしていただきました。嵯峨野高等学校からは「ペロブスカイトという新しい材料を用いた太陽電池とは」、「阿蘇火山周辺の地殻変動メカニズム~火山活動監視の試み~」、「大学で学ぶ航空宇宙工学」のタイトルで計3名の卒業生に講演いただきました。
探究活動を取り組んだ先輩方が、実際に大学で研究している内容をわかりやすく発表いただき、来年6月の最終発表に向けて生徒たちも気合いが入ったようでした。
また、11月12日当日の午前には、洛北高等学校、桃山高等学校と合同で、3校合同SSH成果報告会を開催しました。全国より多数の視察者が来られ、今後のSSH事業をより充実させるにあたって、様々な御意見をいただきました。