それは、ひとりの生徒の「?」から始まりました。
南館生徒昇降口を入った右奥に1枚の書が飾られているのを御存じですか?
何と書いてあるのか、長年の謎でした。
何が書かれているのか知りたい。
そう思った生徒が調べていくと、書の落款が別の書と同じであることが分かりました。
その落款の主は、本校の卒業生である清水菁花氏(書家)でした。
学校を通じて清水氏にお尋ねしたところ、書は「夢」と書いたとのお答えでした。
書を改めて観てみると、なるほど「夢」と読めます。
独特の字体をしています。中国、明末期・清初期の書家「傅山」(ふざん)の臨書だとのことです。
夢を追いかける嵯峨野生への清水先生からのエールを感じます。
また、清水氏は、書を学ぶことが減ってきたこの時代に、生徒が「書」に興味を持ってくれたことが大変うれしいとおっしゃっていました。
ひとつの「?」が、素敵なつながりを生み出してくれました。